【29】釜石-山田

あまり寝ていない。寒い。カイロがなかったら倒れていた。それでも日の出を迎えれば昼ごろまでは動ける気持ちになった。

昨晩、今日の寝床を考えていた。風呂にも入りたいししっかり眠りたい、バッテリーの状況は半分を切っているので、山田にあるビジネスホテルを予約した。

 

釜石の市街地には大きいイオンがある。ここら辺では一番の商業施設だろう、9時オープン前には人が並んでいた。熊よけの鈴を買う。明日以降必要になる場面が増える筈だ。

ラグビーの町としての釜石は有名だ。

f:id:RSSHAKE:20210504162244j:image2019年のラグビーワールドカップの試合会場もある。ウルグアイがフィジーを破った時の盛り上がりはすごかった。

そのスタジアムの近くには「いのちを繋ぐ未来感」がある。震災時の釜石についての施設だ。防災センターでの出来事の悲惨さは、読んでいて辛かった。その施設は解体され、そこにできたのがこの未来館だ。館の隣には慰霊碑が建っている。

遺構として残されるものも有れば、解体されるものもある。センター解体についての展示もあり、存続を希望する住民の手紙もあった。復興していく町と辛い経験をした住民の間にあるとても難しい局面だ。

 

東北に入り度々目にする「津波てんでんこ」。大地震が起きたら必ず津波が来る。逃げる時は家族も関係なく各自それぞれ逃げるという教えが伝わっている。例え子供が親から離れた場所にいても親は子供を探しにいかず、子供も親を探さないで避難所へ走る。それがどれほど難しいことか、昨日の地震で思った。

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釜石を後にする。大槌町に入ると雨が降り始めた。雨宿りをしながら先に進む。

ここには「風の電話」という場所がある。福島の伝承館で見た写真に映っていた所だ。三陸海岸を見下ろす高台のガーデンにある、線がつながっていない電話だ。どうしてもここを見ていきたかった。写真は撮っていない。

 

雨がひどくなる。また今日も手が悴んで痛い。しかし今夜はそれでも耐えられる。宿に着くと、合宿をしているであろう多くの学生がロビーに集まっていた。明日の勝ち筋は見えているのだろうか。

やっておかねばならない充電や洗濯を済ませ気がついたら眠っていた。

 

明日も無事でありますよう、気をつけます。

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