【77】浦幌-帯広

5時半に起き、急いでテントを片付ける。目的地は銀の匙の舞台、帯広。遠くないのでゆっくり走っても余裕だ。f:id:RSSHAKE:20210623091749j:image

国道38号の途中、ワシが6羽飛んでいた。線路の向こうの草むらで餌を探しているようだ。電車が警笛を鳴らし鳥を退かすが、鳥は弧を描いて電線へ戻る。きっと慣れているのだろう。f:id:RSSHAKE:20210623092003j:image
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国道を外れると、川沿いにハルニレの木が立っている。ハルニレハウスという家屋もあり、浦島久さんが撮影したハルニレの四季の写真が展示されている。冬の姿が美しい。木までは歩道があり、そこ以外は牧草地なので入ってはならない。f:id:RSSHAKE:20210623092204j:image
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ハルニレの木から1時間半で帯広市に入った。国道は片側2車線になり建造物が増える。帯広の豚丼は美味しいと聞いた覚えから、近くのお店に寄ってみる。お昼時を外したが並んでいた、某サイトで2位の店だったようだ。バラの豚丼を頂いだ。厚いバラ肉に甘いタレの香りが最高だった。f:id:RSSHAKE:20210623092257j:image
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今後の計画を立てに帯廣神社へ行く。シマエナガのおみくじがとても可愛くて、つい引いてしまう。運勢は家を出て以来初めての吉。境内の森にはリスがいるらしく、撮影している人がいた。足音を極力立てないように歩く。f:id:RSSHAKE:20210623092338j:image
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飲料系の装備はボトルゲージ一本なのだが、もう一つあれば、一本炊事、もう一本は飲用として残せる。水さえ確保できれば炊事場所を探す手間が省ける。市なので自転車屋さんがあり、手頃な値段で買うことができた。サイズ的にちょうどいいのがこれだった。私はペプシ派だけど。

大通りを西へ走り帯広競馬場に着いた。お土産屋さん等は営業していた。隅の方に銀匙の立て看板があった。人々がお店の脇を通って奥へ進んでいる。後を追ってみると、観客席横の子供広場でレースを見ることができた。まさか見れるとは。調べると、最終レースが20時台にある。近くに割引利用できるネカフェがあるので、最終レースまで見ることにした。f:id:RSSHAKE:20210623092648j:image
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ずっといるには長過ぎるので、買い出しと荷物整理をしに一旦離れる。諸々終え、19時ごろ競馬場へ戻る。日が沈み、コース奥にはイルミネーションが光っている。f:id:RSSHAKE:20210623092905j:image
f:id:RSSHAKE:20210623092908j:image最終レースまで3レース、1レースは写真を撮らず、しっかりみることにした。レース前20分くらいから出走馬がパドックを通りゲートへ向かう。強靭な体躯の迫力を感じる。馬の鼻息を初めて聞いた。5分前から会場に投票締め切りに放送が流れ始める。時間が迫るにつれアップテンポになるのはオートレースと同じだ。コースは200mの直線で、第一障害、第二障害、砂利を超えてゴール。詳しい見所は帯広競馬場のHPをご覧あれ。

https://banei-keiba.or.jp

ばんえいは輓曵と書き、ソリを曳く馬は輓馬(バンバ)と呼ばれる。ばんえい競馬を検索すると「かわいそう」という候補が上がってくる。輓馬は1t近いソリを曳き、障害近くでは騎手に手綱で叩かれる。何気なくレースを見ているとそう感じさせる。数ヶ月前にある騎手さんが障害手前で座ってしまった馬に蹴りを入れ、それが不祥事として報道されていた。

かわいそうなのかどうか、それに関しては様々な意見がネットに溢れている。輓馬は重機が普及するまで農作業を支えてきた。ばんえい競馬はその輓馬の力比べが元で、北海道の文化でもある。体重800kgを超える輓馬が、騎手が乗るソリを曳き第一障害を一気に超える光景は間近で見るとすごい迫力だ。第二障害へ向けて騎手は馬の調子を見ながら共に超えていく。見えなかったゴールの先では、騎手は必ず馬を労っているそうだ。

ばんえい競馬がなかったら、輓馬の行く末はどうなっているのだろうか。ぱっと見で可哀想だと決めるのは早い気がする。今日のレースから先の騎手さんの復帰されたようだ。記者が観客に取材をしていた。この騎手さんはレースで何度も勝ち、ファン投票でも1位を取ったことのある方だそうだ。

最終レースで第一障害を超える輓馬たちを撮ろうとカメラの設定を決め、いざ撮ってみる。夜景に合わせたシャッター速度のままだったので馬の姿はブレブレ大失敗。まぁ仕方がない、、、f:id:RSSHAKE:20210623093226j:image
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レースが終わり、次第に照明が落ちていく。レースを目にすることができて本当によかった。ネカフェへ行き、寝ようと思ったが死役所を読み始めてしまう。

明日も無事でありますよう、気をつけます。f:id:RSSHAKE:20210623093304j:image