【96】潟上-秋田市

日光と暑さで4時半に起きる。夜の最低気温が18℃前後となると、雨予報でもない限りテントを設営するのが嫌になるくらいだ。5時半には撤収し、7時ごろまで写真整理等を済ませる。

昨日地元民と話した道、実は経路から外れていたことに気づく。話しかけてくれてありがとう、秋田の方。数キロ先のコインランドリーに向かうも、水道管故障で乾燥機だけの営業。小中学生登校ピークの中、秋田市へ進む。

土崎にあるポートタワーセリオン。セリオンはsea と pavilionの合成らしい。頂上5階の展望台には無料で登れ、秋田港と土崎、その先の秋田市まで見渡せる。好天ならば男鹿半島まで見えるが今日は白んでいた。王子製紙の工場はここにもあるのか。f:id:RSSHAKE:20210709081630j:image
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秋田駅近くにねぶりながし資料館がある、能代役七夕の二の舞にならぬよう、今回は調べておいた。一頻り見終わったら秋田市街地へ向け出発する。牛丼屋、本州に入ってからよく見るようになった。横断歩道のスイッチはタッチ式で、北海道で調べた通り、ボタンは赤色だった。

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秋田駅近くの駐輪場に自転車を止め、ねぶり流し館へと向かう。商業施設の壁には竿燈まつりの絵が描かれてある。にしても暑い、海岸線なら海風の冷たさを感じられたのだが。ねぶり流し館までの通りで少し迷い、やっと到着した。
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秋田竿燈まつり。竹を継いだ長い竿に沢山の提灯がついた竿燈は「若」と呼ばれ、稲穂と米俵を表現している。その先端には白い御幣がついてる。大きさで大若や中若など種類があり、一番大きい大若は50kgあるそうだ。この竿燈を持ち、5つの技を披露する。竿燈を持ち上げる「流し」、掌で竿燈を掲げる「平手」、額に巻いた鉢巻で竿燈を支える「額」、額から肩へ支点を変える「肩」、法被の帯に竿燈を刺す「腰」。5人組で一つずつ技を披露する。市内の町や団体が参加し、昼にはこの技を競う妙技会が行われ、夜には大通りで多くの竿燈が輝き大賑わい。f:id:RSSHAKE:20210709082046j:image
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展示を見ていると、職員さんが話しかけてくれた。気付かないうちに結構時間が経っていたらしい。この施設では例年、子供を集めて竿燈の体験会を催しているそうだ。働く年になると秋田市を離れる傾向が強く、参加する町も年々減少、町が参加しなくなれば竿燈に触れる機会も減るのでその対策らしい。去年今年と祭りは中止となってしまい、職員さんはとても残念がっていた。この職員さんは妙技会で優勝した経験を持っていた。

一番軽い若で竿燈持ちを体験させていただいた。職員さんが平手を実演する。竿燈は安定し、提灯は全く揺れない。両手で渡されるが、片手を離したらすぐ傾きバランスが取り難い。両手で持っていても提灯は大きく揺れる。結局片手を離せなかった。提灯の底は両端が欠けた蓋が嵌められており、大きく動くと風が入りすぐに火は消えてしまう。竿燈が燃えてしまうことは滅多にないそうだ。この火を消さぬよう、技を繋いでいくのは相当難しい。職員さんが仰った奥深さを少し分かった気がした。ちなみに妙技会では円の中で技が行われ、その中心から1m程ずれてしまえば予選落ち確定らしい。大きく動いて火が消えるのは美しくないそうだ。f:id:RSSHAKE:20210711060859j:image

3階には桶太鼓とバチが置かれ、囃子を体験できるコーナーがあった。太鼓は上太鼓と下太鼓、二人で一つを叩き、笛が入って演奏する。竿燈の移動時に演奏する「流し囃子」、竿燈の技が披露されてる時に演奏する「本囃子」の2種類があるそうだ。館内に流れている囃子は流し囃子で、1階で体験を終えた後、職員さんが昼休憩でみんないないからと、特別に本囃子を小さく流してくれた。本囃子を流すと何故か怒られてしまうらしい。f:id:RSSHAKE:20210709082052j:image

秋田市内の文化施設を回るには、「みるかネット ぐるりん周遊パス」が便利だ。一枚500円でねぶり流し館を含む市内8施設の入館でき、2施設の割引を受けられる。各施設の受付で購入できるので、わざわざ駅前とかに出向く必要はないのでとっつき易い。ねぶり流し館を出た後はその施設を見て回った。
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f:id:RSSHAKE:20210709082056j:image赤れんが郷土館(旧秋田銀行本店)

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f:id:RSSHAKE:20210709082127j:image久保田城御隅櫓

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f:id:RSSHAKE:20210711054433j:image千秋公園

全てを回ることはできなかったが、ギリギリ元は取れただろう。駅前に戻り、しばらく見つかっていない手帳のリフィルを探す。ロフトですぐに見つかった。日が暮れて19時過ぎ、多分秋田はもうすぐ抜けてしまうので、何処か店に寄ることにした


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f:id:RSSHAKE:20210709082049j:image秋田長屋酒場。数年前、火事に見舞われてしまったが県内外の支援もあり再建、メニューの最後にはその事のついて書いてある。米茄子の田楽はすごい美味かった。20時頃だったか、店内は大晦日に変わりなまはげ様が現れた。囲炉裏に長くあたってできる低温やけどが怠け人を見分ける目印らしい。なまはげ様の訛りがキツかったが、これから先の旅の安全と無病息災を祈ってくれた。
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自転車を取りにJR秋田駅へ戻る。駅前のバス乗り場は綺麗だった。バッテリーが空なので、少し離れた所の快活へ。

明日も無事でありますよう、気をつけます。f:id:RSSHAKE:20210711055658j:image