【89】函館-青森市

夜行フェリーは航行中デッキへ登れず、白んだ空に遠くなる北海道を見ることはなく雑魚寝で寝落ちした。下船アナウンスで目が覚める、まぁそんなもんだろう。青森までのフェリーはブルー○○で4種類あり今回はブルールミナスだった。船内にはシャワールームやキッズコーナー、赤ちゃんコーナー等々設備は充実していた。使うことはなかったけれども、、、f:id:RSSHAKE:20210704153419j:image
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青森港へ降り立ち本州へ戻ってきた。北海道に戻りたくなるほどジメジメしている。まずはまだ残ってる眠気を何とかしないといけないので、青森駅近くの銭湯へ向かう。夜はライトアップされる、地域を象徴する青森ベイブリッジを全く意識せず渡った。f:id:RSSHAKE:20210704153439j:image
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青森まちなかおんせん。450円の料金で様々な浴槽、休憩所、お食事処に床屋が備わった完璧な施設。風呂上りに休憩所で座ること、これほど眠気を加速させる行為はそうないだろう。20分ほど仮眠をとり、この後の行動を考える。昨日あんなに起きていたのに今日のことは無計画。浴槽の壁にあった案内掲示で紹介されていたルートで駅前をめぐってみることにした。

施設から出て自転車に乗ると、ガリガリと妙な振動を感じ、めちゃくちゃ焦る。まずは音の出どころを見つけなくては。音は後輪からで、タイヤを横に押すとぐらつく。外してみると、玉受けナットが緩んでいた。緩すぎてもきつすぎてもダメなこの部分は、家を出る前の組み立てで苦戦したところだ。クイックの締めが甘かったのだろうか。ちょうどいい具合にナットを締め、クイックをキツめにかける。違和感はなくなり、以前と同じ走行感だ。多分、何とかなった、と思う。

駅近くの駐輪場に自転車を置き、AUGA(アウガ)という施設からスタート。パサージュ広場という小さな場所で煙草を吸う中年男女が多い、賑わいがまだ残る田舎の商店街といった雰囲気だ。アーケード通りには土偶のモニュメントがあるのだが、見渡してみても無い。地図を見直そうと顔を下げた時、腰の高さにそれを見つける。あぁ灯台下暗し、三内丸山遺跡は明日行くから待っておれ。f:id:RSSHAKE:20210704153626j:image
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でかい三角形の観光物産館を通り抜け、ねぶたの家ワラッセへとたどり着いた。ねぶた祭りはとても有名で、全国からたくさんの人がこの祭りに参加するために青森にやってくる。趣味で和太鼓やっていたので、ねぶた祭の囃子にはすごい興味があった。この旅の目的に、有名な祭が行われる地域に行く事を設定しており、ねぶたがその最初。JAFの会員証を持っていると団体料金になり、跳人がつける鈴を頂ける。f:id:RSSHAKE:20210704153727j:image

ねぶたの由来は決まった説は出ていなく、今のところ七夕祭りの灯篭流しと眠り流しが有力なようだ。東北の夏は短いからこそ、収穫の秋に向けての行事は激しさを増していったのだろうか。施設の主な展示は祭のメイン、ねぶたの造形と制作、ねぶた師についてが紹介されていた。正直なところ、囃子にしか興味がなかったが、色鮮やかに輝くドデカいねぶたを目前にすると、そんなことはなくなった。ねぶたはサイズが決まっており、その重さは台車、内部の照明、発電機を合わせれば4トン以上ある。台車は大型車両の車軸を活用しているようだ。f:id:RSSHAKE:20210704154203j:image
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一通り回り終え、施設を出ようとしたが、気になることがあって足が止まる。一番興味のあった囃子についての情報は全くなかったが、施設で流れている囃子が2種類あった。ここで聞いた以外に種類はあるのかどうか、職員に尋ねるためにもう一度受付へ行くと、10分後に囃子の演奏があると教えてくれた。パンフには載ってない、マジで戻って正解だった。f:id:RSSHAKE:20210704154241j:image

施設職員3名が法被に着替え、展示室のステージに集まってきた。ねぶた祭りの囃子は各団体の囃子方によって細かな違いはあれど、決まった種類が10数個ある。まずはその中の一つ、「進行」の演奏。屈強な男が闘志をまとって歩くような勇ましさだった。2曲目に「戻り」の演奏、進行と同じ打ち方だが、ゆっくりな調子で祭の終わりを感じさせる。ねぶたは囃子方はもちろん、運行・跳人、大型ねぶたの3つで評価される。どれか一つだけ優れていても、賞は遠いらしい。最後に横笛と手振り鉦を見せていただいた。笛は囃子用の均一孔、8本調子あたりだろうか。とても良い機会だった。職員さんに感謝を伝えワラッセを去る。のちに調べると、日立のHPに結構詳しい情報が載っている。ねぶた祭の公式にも掲載しており、情報の豊富さは流石日本で有名な祭。

https://www.nebuta.jp/

青森ねぶた祭り(日立連合ねぶた):日立

最後にベッドで眠ったのは確か、根室だった。青森駅の近くに2000円で泊まれるビジネスホテル、ウィークリー翔がある。ネカフェより安いのは驚きだ。削れるところはとことん削って安さを前面に出した宿だが、受付の方はとても丁寧に施設の説明をしてくれた。もちろん素泊まりなので、夕食はそこらで済ます。味噌カレー牛乳ラーメンバター入り。うまかった。部屋に戻りベットの上で横になると、そのまま寝てしまう。ベッドメイキングで整った掛布団のまま寝てしまうのは何度目か。

明日も無事でありますよう気を付けます。f:id:RSSHAKE:20210704154613j:image