昆布漁は5時半から始まる。その前に撤収をと思っていたが、起きたのはその時間。漁師の車が近くに6台止まっていた。晴れの日が少なく、昆布の育ちが悪いらしい。
夜露で濡れたテントを乾かす為に、親子岩ビーチキャンプ場の近くの公園に立ち寄る。途中、港の奥にエンルム岬という小高い岬があった。強い日差しのおかげでテントは30分もすれば乾いた。せっかくの快晴、先は急がず岬に行く。
エンルムは岬の意味で、ここは岬岬ということになる。急坂を登り、そこから急な階段を登ると小さな展望台にたどり着く。新型ジムニーが一台止まっており、女性がカメラと三脚を担ぎ野鳥の撮影をしている。邪魔にならぬよう頃合いを計り階段を登る。様似の街、遠くはアポイ岳まで見渡せる。海が青いのは久しぶりだ。ジオパークとなる前は坂が砂利道で整備されていなかったらしい。
岬を後にして浦河へ走る。競馬が好きな人にとってたまらない道だろう、競走馬の牧場や競馬に関する資料館が点在する。ばんえい競馬は見たものの、施設に寄ることなく走る。
昼飯に迷っていると、幟を出し始めたラーメン屋の隣にラーメン屋がある。後者は見覚えのある名前、こういう時は前者へ行くに限る。岩海苔味噌ラーメンをいただいた。美味い。店主さんは自転車で来た私を気遣ってくれ、今は使ってないカラオケルームで少し休んでいってと言ってくれた。日中横になれるのは有難い。30分もほど仮眠させていただき、体調が抜群に良い状態でお店を出る。ありがとう、ラーメンうまか様。
今日の目的地は新冠にある判官館森林公園キャンプ場。受付は17時まで、実は時間に余裕がない。新ひだかの街は結構色々揃ってそうだったが走り抜けた。
キャンプ場があるのは小高い丘。しかも国道は丘を回り込んで坂だ。ショートカットはないが、時間的には大丈夫。森林公園の入り口は斜度10%の坂道。そこらで野宿場所を探そうか血迷ったが、着いたら秒で設営できる気楽さには敵わない。呻きながら登った。
受付のおばちゃんがお疲れ様でしたと声をかけてくれた。温泉に入るか聞かれた。どうやら来た道を戻り、また坂を登らなくてはいけない面倒臭い所にあるようだ。荷物を最小限にした自転車なら余裕、だと思いながらテントを設営し温泉へ向かう。
新冠はサラブレッドと音楽の町。新ひだかとの境界に近い丘にある温泉の名は「レ・コードの湯」。そんないい雰囲気な温泉に呻きながら到着した。日が沈み始める。狙ったわけではないが夕日を見ながら温泉に入った。
キャンプ場までの坂は想像通り、あまり苦しくはなかった。荷物がないとこんなにも軽いのか、外して走る度にそう思う。さっきは見れなかった道の駅や牧場の馬を見ながら戻る。新冠にはスーパがない、多分隣の新ひだかまで住民は買いに行っているのだろう。明らかに食べ過ぎな量の飯を作り、眠った。
翌日は2週間ぶりに1日動かず、広い森林公園キャンプ場を見て周り、休む事にした。公園は広い。でかい遊具、小さな湿原、岬から見える新冠町、いい所だ。バンガローの近くに斜面の芝があり、晴れれば綺麗な星空を寝ながら観れるだろう。岬の展望で夕日の町を見ようと思ったが、曇り始めたのでやめにした。
1日動かないと疲れが取れる。2週間移動してたとは思わなかった。釧路で1日滞在したが、湿原を見に往復50km走っていた事を思い出す。昨日飯作りは贅沢をしたので、今日はあるもので最小限。
明日も無事でありますよう、気をつけます。