【79】大樹-襟裳岬-様似

霧は明け方まで出ており、寝袋は少し濡れている。学生の登校時間ごろには霧が晴れ、出発できる天気に変わった。曇り空を見ながら大樹町を抜ける前に、目を引くパン屋さんを見かけた。ぜひパンを買いたかった。f:id:RSSHAKE:20210623100959j:image

太陽が見え隠れを繰り返す天気に変わった。海沿いへの道なのでほぼ平坦な道。水溜り、マンホール、排水溝、踏んではいけない箇所を避けるために視線は常に前方下を向かなければならず、首が痛い。f:id:RSSHAKE:20210623101114j:image
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広尾の街ではサンタの看板が目を引く。学生時代、サンタに関わったことがあるので、足を止め調べてしまう。水族館開館から広尾とノルウェーの交流が始まった。ノルウェーではサンタランドという活動があり、これを広尾に取り入れる為、当時の活動拠点だったオスロ市の市長へ働きかけた。結果、国外初ノルウェー公認にサンタランドが広尾に誕生したそうだ。今の拠点はオスロからベルゲンという市に移った為、姉妹都市はベルゲンと結んでいる。坂を登ると広尾サンタランドがあるが、登る気は起きなかった。f:id:RSSHAKE:20210623103705j:image

調べ事を済ませ、襟裳岬へ向かう。黄金道路の看板が襟裳へのスタート。黄金という名前は工事に多額に費用がかかったことに由来するらしい。f:id:RSSHAKE:20210623104000j:image
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トンネルの出入り口や覆道の合間には昆布漁車両についての看板が建っている。荷台に機械を積んだ軽トラが路肩に多く停まっている。漁師が昆布を集めている。波が高く船を出せない時は波打ち際で採取するらしく、相当危険だそうだ。f:id:RSSHAKE:20210623110902j:image
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北海道最長、約5km続く襟裳黄金トンネルを抜ける15分間は車輪の音が響くのみ、不思議な感覚だった。トンネルを抜けると黄金道路の碑があり、そこでバイカーの人と会った。新潟まで行ってくると奥様に言って北海道まできたそうだ。えらい大嘘だが、そう言わないと来れなかったらしい。昨日携帯が壊れ、急遽新しいのを買ったそうだ。androidのハイエンド機、いずれ欲しい。f:id:RSSHAKE:20210623112309j:image
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イカーの方は先に襟裳へ向け出発、自分も後を追う。襟裳岬まで4kmのところから緩やかな坂が始まり、異様に長く感じた。岬手前には町があり、学校もあった。f:id:RSSHAKE:20210623112454j:image

ようやっと襟裳岬に着いた頃、駐車場に先ほどのバイカーさんがいらっしゃった。一緒に飯を食べることに。無性にカレーが食べたく、バイカーさんもカレーを頼んだ。カレーとラーメンはなぜ定期的に食べたい波が来るのだろうか。バイカーさんの連絡先をいただき、碑で撮った写真を送る手筈が整った。ご馳走になったお礼を伝えて、バイカーさんは先へ進み自分は岬へと向かう。

晴れ間がさしてきた。海へ沈んでいく地面、襟裳岬の先には海山が沈んでいるらしく、その大きさは富士山も越えるそうだ。海面に出る岩場はゼニガタアザラシの子育ての場所で、4-5月にかけてその姿が見れる。今日は何もなかった。f:id:RSSHAKE:20210623115656j:image
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緊急事態宣言は解除され、風の館は営業を再開していた。近くの灯台に影響しない様に地下にあるこの施設には、襟裳岬とアザラシ、風についてに展示がある。f:id:RSSHAKE:20210623120343j:image
f:id:RSSHAKE:20210623120347j:image襟裳岬は昔、海岸林伐採の末に砂漠となってしまった。頭を布で覆い馬で襟裳岬をゆく当時の人の写真は館を去った後でも頭に残る。65年かけて緑地化し今の姿になった。森が消えると草も消え、魚も消える。昆布漁が盛んだからこそ、その生活への影響は深刻だった様だ。

施設の目玉、風速25m/s体験をしてみる。入り口にはイメージキャラクターが絵があり、2人とも風を凌いでいる様な姿勢だ。f:id:RSSHAKE:20210623115147j:image中に入ると猛烈な風でメガネが吹っ飛ぶ。最前で風を受けると息ができない。積丹神威岬で受けた風を思い出す。こんな風が襟裳岬の先では吹き、人の住むところでも風速10m/sくらいの風は年中吹いているそうだ。
体験を終え、風の館を後にする。f:id:RSSHAKE:20210623120324j:imageえりもの街中に良さげな公園があるのでまずはそこを目指す。丘陵地帯のアップダウンを抜け目的地に着いた。どうやら21時にはゲートが閉まるようだ。海の方を見るときれいな夕日が、とりあえず先に進む。f:id:RSSHAKE:20210623120309j:image

様似(サマニ)に入り、トンネルの出口横の旧道入り口に良さげな場所があった。時間的にもここで止まらないといよいよやばそうだ。にしても海岸沿いの夕日を見ながら走るのは爽快だった。設営を済ませ、通る車のヘッドライトに照らされながら眠りについた。f:id:RSSHAKE:20210623120413j:image

明日も無事でありますよう、気をつけます。f:id:RSSHAKE:20210623175931j:image