【67】女満別 整備ミスストップ

青空が広がっている。今日はチェーンを交換したらここで一日休むつもりだったが、そうしてはもったいない、さっさとチェーンを交換しなくては。

約3100km、よくここまで持ってくれた。ピンを外し、スプロケットとチェーンリングを掃除する。次のチェーンはシマノなので、今までとどう違うのだろうかと思いながらピンを刺す途中、手を滑らせピンを折ってしまう。本来入るはずのピンは落ち、誘導部分だけが刺さる。修正は不可能、予備のチェーンはない、つまり走れない。近くにホームセンターがあるが、この規模の町で果たしてあるかどうか...とりあえず歩いていくしかないと思ったところで、声をかけられる。

稚内ライダーハウスで一緒だったライダーさんが偶然、同じ野営場にいらっしゃったのだ(以下Hさん)。状況を伝えると、バイクの後ろに乗って行きましょう、と提案してくれた。偶然にもヘルメットがあり、お言葉に甘えさせて頂いた。

近くのホームセンターに行くがやはりチェーンはない。次にサイクルストアへ伺うも同じ。となると、網走市街のホームセンターならばと、電話して在庫を確認する。あるそうだ。Hさんは網走まで走りましょうと提案してくださった、感謝してもしきれない。

バイクの後ろに乗るのは初めてだ。想像よりも乗車中は安定していた。普段受けている風とは全く違う気持ちの良い強い風と、強い振動が新鮮な感覚を頭に刻む。北海道はライダーの聖地、バイクでこの地を走る気持ちよさを感じられるとは思わなかった。Hさんが交差点を曲がるときに出すハンドサインがめちゃくちゃかっこいい。二輪車はこんなにも魅力的なのか。網走まで僅か20分ほどで到着し、目当ての品を購入する。

往路と別の道で女満別へ戻る事に。自転車では絶対に行こうと思わない坂道を登っていく。左手に網走、斜里、知床連峰を望む景色が広がる。予め道を調べてあったかの如くスムーズに走るHさん、しかしこの道は偶然通った様だ。連峰をバックにHさんとバイクを撮影させていただく。f:id:RSSHAKE:20210613063449j:image

野営場に到着し、Hさんはパッキングを手際良く終わらせ出発した。本当にありがとうございます、Hさん。家に戻ったら、まずは免許をとります。

早速チェーン交換を行う。ピンは刺さるが、アウターリングが外側へ反ってしまう。チェーンカッターをよく見ると、アウターを押さえる部品がついていなかった。工具箱の省スペースを目的にカッターを分解収納したことを思い出す。部品をつけ、再試行して無事交換完了。工具の分解は絶対にしない。

時刻は15時過ぎ。まだ日の入りまで時間がある。畑の奥に7本のカラ松が不均等に並ぶ、メルヘンの丘へ走る。真っ青な空に、直線に並ぶ稲がカラ松を際立たせる。何故この光景が有名なのか、黒澤明制作の映画に出てきたから、だそうだ。f:id:RSSHAKE:20210613063906j:image
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反対方向の女満別空港へ寄ってみる。小さな空港だが、羽田や千歳への航路がある。羽田には数回行ったことがあるのだが、知らなかった。f:id:RSSHAKE:20210613063942j:image
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野営場に戻り、飯を作る。明日こそはやっと移動できる。晴れの日も1日伸びたおかげで、美幌峠を越えて知床へ行ける。改めてHさんの助けに感謝をしながら就寝した。

明日も無事であります様、気をつけます。