【58】留萌-苫前

風も雨も止んで、やっと留萌から出発できる。自分のテントの隣には炭がいくつか落ちていた。なぜ片付けずに帰れるのだろう。自然に還るとでも思っているのだろうか。

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低温注意報が出ており、日が差しているのに寒い。留萌の中心を抜け海岸線に出ると向かい風が吹き、尚寒くなる。今日は苫前までで、約40km、休みながら進む。

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大きな鰊番屋が見えてきた。今は閉鎖しているが道の駅らしい。道南だけでなく、北海道の日本海沿いは大体鰊で栄えたらしい。海岸側には慰霊碑が建っている。

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苫前は三毛別羆事件が起こった地域だ。カントリーサインにもクマが描かれている。f:id:RSSHAKE:20210603074115j:image中心街から南東の山間には復元現場があるが流石に行けないので、郷土資料館をみようと考えていた。しかし、今日は定休日、羽幌まで進むか迷ったが、どうしても資料館には寄りたいので、苫前の道の駅に併設された宿に泊まる。ちょうどモバイルバッテリーが空になったのでいいタイミングだ。

チェックインと風呂を済ませる。空に雲がない。北海道に入って初めて、日本海に沈む夕日が見れる。宿の約款に挟まっている情報を元に、港町を少し歩き苫前神社へ向かう。f:id:RSSHAKE:20210603074152j:image
f:id:RSSHAKE:20210603074147j:image白い鳥居の裏には鰊漁業者寄贈の文字がある。この神社の向かいに東屋があり、そこから海と天売島と焼尻島が見える。島の間に太陽が沈む時期があるらしく、今回は焼尻島に沈む夕日だった。久しぶりにシャッターを切りまくった。
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f:id:RSSHAKE:20210603074255j:image北海道に入って約2週間、ほぼ海岸線を走っていたが見れなかった夕日はとても綺麗だった。

 

通信制限がかかり、宿にはWi-Fiがなく調べ事ができない。明日以降の天気とか野営場所候補とか調べないといけないが、明日で月が変わるのでなんとかなるだろう。

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明日に無事でありますよう、気をつけます。

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【56・57】留萌悪天候ストップ

これから進む地域は晴れでいてほしいので、それまで黄金岬キャンプに留まる。

日本海側の夕日をまだみれていない。黄金岬の夕日は留萌を代表する景観だがそれは見れずに終わりそうだ。

いろんな食材を持ってきて焼いている方が声をかけてくれた。食事を分けていただき、話しをした。この方も昔、日本を徒歩と電車で周っていたことがあり、その時は色々な人に助けられたらしい。一人分の量とは思えない食材を持ってきているのは、昔の自分のような人を見かけたら一緒に食事ができるから、だそうだ。北海道の気候は昔から大きく変わっているらしく、特に夏の湿気が本州と似てきているらしい。

雨が降ったり止んだらを繰り返し、寒い。月末になれば天気は回復しそうだが、本当だろうか。

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【55】滝川-留萌

風がなくても雨が降れば寒い。早朝の列車の音で目が覚めた時にはまだ強く降っていた。

雨が止むまで写真を整理し、今日の経路を考える。このまま旭川へ進んでは、苫前に出るのがしんどくなるため、ここで内陸から離れ留萌に出る。

天気予報をでは、月末までずっと悪天候だ。正直晴れが欲しい。留萌まで出れば、黄金岬キャンプ場があり、そこで待機できる。

9時手前、雨が止んだ。お世話になった場所に散らばっていたゴミを片付けて出発する。北海道、ポイ捨てが多すぎる。f:id:RSSHAKE:20210602053226j:image

 

風邪を引いてしまいそうなくらい寒い。電光掲示板には14℃とでている。山間は小雨が降り、カメラが出せない。

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夕方、留萌の黄金岬に到着し、設営を済ませる。ここには数日お世話になる。f:id:RSSHAKE:20210602053315j:imagef:id:RSSHAKE:20210602053345j:image

 

 

【54】新篠津-滝川

寝不足は解消した。7時まで眠れたのは久しぶりだ。

昨日の晴天が奇跡と感じる程に今日は分厚い雲が広がっている。

 

国道12号美唄(びばい)から滝川までの29.2kmの道は日本一長い直線道路で有名だ。国道12号自体は札幌から旭川まで続くがこの区間だけ直線な理由は明治の開拓時代にある。f:id:RSSHAKE:20210602052949j:image
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ぐずついていた天気は滝川に入る頃に晴れ間が差すようになった。内陸は風が穏やかでとても走りやすい。滝川市街地に入ると見慣れた店の看板が多くなってくる。

今日は夜に雨が降る。濡れないところで寝床を確保するためにめぼしいところを見て周り、良さげなところを見つけた時にちょうど雨が降ってきた。テントは張れないが、風がないので大丈夫だろう。

明日も無事でありますよう、気をつけます。f:id:RSSHAKE:20210602053056j:image

【53】札幌手稲-新篠津

ハガレンが好きで、銀の匙も気になっていた。岩内のコインランドリーで4巻まで読んで以降早く最後まで読みたくて、昨夜ネットカフェへ入った。1時半に寝たが5時に起きてしまい寝不足が治らない。夢に出てくるくらい、本当にいい漫画。

 

今まで海岸線を走ってきた。衛星写真で見る限り、留萌まで建物がまばら。内陸、岩見沢方面へ進んでみることにした。出発してすぐ、大きく綺麗な公園があり、調べ事を済ます。f:id:RSSHAKE:20210528084246j:image

内陸へ進むと直線道路が増える。3.3.63石狩手稲線、道道44号とも呼ばれるこの道路の3.3.63とはいったいなんのことなのだろうか。条目制が関係してるのだろうか。答えは出なかった。f:id:RSSHAKE:20210528084255j:image

眠気に纏われ速度は出ない。石狩に入ると、広大な田畑が道の両側に見える。長野で見たそれよりも遥かに広い。これらを管理する人間が区画ごとにいるわけで、その人数と労力はいったいどれほどになるのか、山梨と長野に住んだことがありながら、農業に関わったことがなく想像がつかない。f:id:RSSHAKE:20210528084340j:image
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車線が多く、反対側の歩道は渡るにも手間がかかる。北海道の押しボタン信号は本州と異なり、ボタンに触れるだけで反応する。豪雪地域や寒冷地域では普通のボタンだと凍結して押せなくなるそうだ。ボタンは本州が赤で、北海道は青らしい。

 

新篠津村に入る頃、菜の花畑が一区画あった。陸奥横浜で菜の花は見たが、この菜の花畑も広かった。道ゆく人も車を止め、写真を撮っていた。f:id:RSSHAKE:20210528084414j:image
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道の駅で休んでいると、4月にキャンプ場オープンのポスターが。敷地は広く、遊具だったり自転車のレンタル、手ぶらでもキャンプできる常設テントもあった。北海道に入ってからはキャンプ場が閉まってばかりで、ここもそうだろうと思ったが営業していた。寝不足もあるので、時間を気にせずテントを張れるのならば、1500円と少し高いフリーサイト料金以上の価値を見出せる。

受付を済ませ、ニュースを見る。今夜は数十年ぶりの満月の皆既月食、ここの天気は快晴。早く寝ようと思っていたが、それはできなさそうだ。

 

テントを設営していると、青年が声をかけてくれた。彼はスーパーカブで日本一周をしている最中で、屋久島からスタートしたと聞いて驚く。カブの後ろにある看板が良いデザインだった。黒く太い、昔のゲームタイトルの様な暖かい雰囲気の文字と木彫りの看板、いろんなブログでこの手の看板は見たけど、ここまで目を引くものは見たことがなかった。f:id:RSSHAKE:20210528084538j:image彼が乗っているカブは日本二周目のようだ。しっかり乗れば40万kmは走れるらしい。

互いのバイクで記念写真を撮った。函館で買って以降出番がなかった三脚が役に立ってくれた。彼が道の駅を出発するときの写真が、フォーカスモードを間違えてボケてしまったことが悔やまれる。f:id:RSSHAKE:20210528084554j:image

屋久島、行く予定を立てていなかったが、行くことにしよう。

 

日が暮れる。近くの展望台で三脚を構えて待つ。自分以外にも複数人が月を見にきていた。レリーズが無いので、今回も息を殺して三脚のレバーを握り、シャッターを切る。なんとか撮れた。f:id:RSSHAKE:20210528084704j:image撮る合間に目で月を見ると、小さくても月食の様子が見えた。ここのところ曇っていたのに何故今日だけ晴れたのか、偶然なのだろうけど不思議に思う。

 

テントに戻り、飯を作って眠る。風が吹き始め、久しぶりに寒さを感じた。思えば、前回の満月は神割崎にいて、そこでも珍しい月を見ることができた。早く寝たいと思った日の夜には、これからも何かがあるのだろう。

明日も無事でありますよう、気をつけます。

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